6.あとがき

以上、ヨーロッパ駆け足視察のうち、採掘・生産に関係ある部分について、その概要を述べた。この旅行を通じて感じたことは、一口に言えば、山砕石において技術的に驚くようなものは、何も無かったことである。あるいは、筆者の見方が悪かった為かも知れない。しかし逆に、部分的には日本の方が進んでいると感ずる面もあった。ただ、うらやましいと思ったことは、各事業所が広大な土地を所有していることであった。したがって、日本のように、敷地が狭いが故に起こるトラブルが少ないようであった。

つぎに現地で話題に上ったものとして、モービルクラッシャがあった。向うの技術者は、かなり高い関心を持っているように感じた。不幸にして我々調査団の本隊は、その現地を見る機会がなかったが、メンバーの1人である伊藤源三郎団員が、西ドイツで稼行中のものを視察することができた。その資料等は別に紹介されている。我が国でも、以前から土石・鉱石の切羽運搬が、コストなどの面から問題となっている。したがって、切羽運搬のベルト化、合理化に結びつくモービルクラッシャは、その導入条件は厳しいが、これからの技術として一考に値するものと思われる。現有切羽にモービルクラッシャに合せた、採掘方式が考えられるべきであろう。また、モービルクラッシャも、以前のポータブルタイプと異なり、500t/時級と大型化の傾向にあり、移動方式も、車輪式から油圧による自走式に進んでいるようである。

陸砂利採取については、骨材の重要性を政府がよく認識し、積極的な施策を行なっていることが非常に印象的であった。とくに、ベルギーでは、地下は徹底的に採掘すべきであると言う方針で、都市整備共同事業体を設置して、強力に推進しているようであった。

〔担当・岡村宏〕