2.2 採掘

採掘はすべて露天式階段採掘法であり、ベンチ高さは15~30mがほとんどで、一部には50mのところもあった。能率や保安など、あらゆる面から考慮した最適ベンチ高さのあり方について、筆者も以前から、とくに興味をもっていたが、ヨーロッパは一般に高いようであった。この点について、現地の技術者の意見を聞いたところ、「以前はもっと高かったが、やはり保安、生産面から考えると、できるだけ低い方がよい。できれば15m程度にもってゆきたい」との解答があった。ドイツではとくに法的な規制はないようであったが、イギリスでは採掘調査官(Quarring Inspector)は60ft(約18.3m)を提唱しているとのことであった。

さく岩機はロータリータイプが多く、一部ではパーカッション式のものもみかけられた。ロータリー式ではハウスヘル、ホルマンなどが導入されており、口径は100~150mmΦが多いようである(第2・4図)。西ドイツの一事業所では、砕石の他に石材(大理石と呼称)の採取を行っていたが、これには簡単なワゴンドリル(台車にシンカーを搭載)を用いて、能率を上げていた(第2・5図)。ちなみに、石材は砕石に比べて40倍程度の価格で取引されるので、採算性が高いとのことであった。我が国でも同じような傾向があり、岩石の付加価値を高める、もっともてっとりばやい方法であると言えよう。

第2・4図 ハウスヘル製ドリル(西ドイツ)
第2・4図
ハウスヘル製ドリル(西ドイツ)
第2・5図 ワゴンドリル(西ドイツ)
第2・5図
ワゴンドリル(西ドイツ)

発破規模は、それぞれの事業所でその山の条件に合致した独自のものが決められている。一般に最少抵抗線は2.5~6m程度、孔間隔2.5~4m程度であった。第2・6図に示したのは西ドイツ、ウルフラート鉱山の発破規格図である。爆薬はAN-FOが主体で、薬量は100~110g/t~120~150g/tの範囲にあるようである。我が国と比較して、決して少なく数ではなく、また発破後の切羽面にはバックブレークが随所にみられ、発破技術は、いま一歩の感じであった。発破による1回当りの爆砕量もまちまちで、3000~4000t/回から60,000~80,000t/回の範囲であった。したがって1回当りの装薬量もかなりのものになるはずであるが、発破振動等による公害問題は、イギリスで1ヶ所だけ住民から苦情が出る、という話を聞いたのみで、他は特別に問題はないようであった。つぎに小割は、岩盤の層理、節理が砕石にとって、理想的とも言えるように発達しているため、大塊の発生率は極めて少ないようで(5~6%以下)あった。したがって我が国でよく用いられているジャイアントブレーカー、アイヨンタイプのはみられなかったが、西ドイツのウルフラート鉱山では、大型ブレーカーを試作研究中であるとのことであった。またイギリスで1ヶ所ドロップボール(2t)を保有する事業所があったが、これもときどき使用するとのことであった。

第2・6図 発破規格例(西ドイツ・ウルフラート鉱山)
第2・6図
発破規格例(西ドイツ・ウルフラート鉱山)
第2・7図 試作プレーカー
第2・7図
試作プレーカー