2.山砕石の概況

2.1 岩石および原石山の状況

第2・1図 層理のよく発達した石灰岩層(英国)
第2・1図
層理のよく発達した石灰岩層(英国)

我々が視察した現場の、稼行対象岩石の内訳は、石灰岩4、海緑石珪岩(Glaukoguarzite)1で、ほとんどが古生代石炭紀の石灰岩である。日本の石灰岩の賊存状況と異なり、ほぼ水平な層理に富み、クラックも比較的よく発達しているようであった。(第2・1図)。石灰岩の品位としては、CaCO3で90~98%程度であり、我が国のものと比較して、品位は一般に低いようである。色調も淡褐色~灰褐色を示し、一部には泥灰岩とも思えるようなものも見受けられた。海緑石珪岩も古生代の堆積物で青黒色を呈し、これも成層をなし、層理の発達が顕著であるので、採掘しやすい岩石と思われる。

一般に石灰岩を骨材として用いる場合、我が国では、そのスリヘリ減量の大きいことや、熱に対する問題などの理由によって、その用途によっては使用者側から、あまり歓迎されない傾向があるが、ヨーロッパにおいては、ほとんど抵抗なく、使用されているようであった。この点について、現地で聞いた事項を総合すると、ヨーロッパの石灰岩はその生成時代が古く、さらに非結晶質の緻密な性質を持っていることと、骨材(砕石)として大量に採取できる岩石が、石灰岩以外に極めて少ないと言う、2つの大きな理由によるものと考えられる。

つぎに、原石山の地形は一般になだらかな丘陵地で、クラッシャーレベルから30~50m程度の標高のものが、ほとんどである。採掘切羽は、このような丘陵地に、普通2段程度、多くて3段のベンチを造成して稼行されていた。なかには、クラッシャーレベル以上を1段、以下を1段という2段ベンチの形態のものもあった(第2・2図)。また、ドイツのウルフラート鉱山は第2・3図に示すようにクラッシャーレベル以下を100m以上掘り下げており、この点が、クラッシャーレベル以上の採掘を行っている我が国と大きな相違であった。

表土は一般に1~2m程度で、さほど厚いと言うものではない。地表は畑作地、牧草地がほとんどで山林は少ない。したがって先行剥土も、木根等の混入のおそれが少ないためか、厳密ではないように見られた。一般に、広大な土地を有し、半径何km以内に人家はないと言う、実にうらやましい環境の所がほとんどであった。

なお、生産量はまちまちで、およそ100万~800万t/年程度の範囲であった。

第2・2図 切羽の状況(西ドイツ)
第2・2図
切羽の状況(西ドイツ)
第2・3図 ピットダウン方式切羽
第2・3図
ピットダウン方式切羽。坑底からクラッシャレベルまで125mある(西ドイツ)