5.視察工場のアウトライン

5.1 山砕石関係

(1)ライニッシュカルクスタイン社ウルフラート鉱山

当鉱山は西ドイツ最大の鉱山で、デュッセルドルフ市の南方約35kmに位置する。稼行岩質は古生代、中生代の石灰岩である。石灰石の生産量は800万t/念で、製品内訳は、骨材および熔材としての石灰石が35万t/月、生石灰用として20万t/月、セメント用として3.3t/月である。

採掘切羽は、工場を中心に3方にピットダウンしており、5段ベンチになっている。採掘機械はハウスヘル、ベースS3R、HESなどのせん孔機を使用している。爆薬はANFO95%、Avmongelit5%、爆薬原単位は110g/tで、ブースター用として0.5%を見込んでいる。つぎに、積込機はパワーショベル、ホイールローダを使用している。主な積込機はCat.992×2、988×2、966×4、P&H1400×3、Mench DN×2であった。また、ダンプトラックはすべてリアダンプで、30t級18台を使用しているとのことであった。切羽運搬では合理化をはかるために、前述したようなスキップ捲(670HP)を使用している。

1次破砕はジョークラッシャ71"×55"(650t/時)を4台、ジャイレトリークラッシャ137"×53"(660t/時)を1台使用している。また、原石の洗浄のために、1次と2次クラッシャの中間にドラムウオッシャ250t/時×6台を使用しているのが特徴である。ドラムウオッシャの消費水量は、原石に対して1:1であるとのことであった。その他、電子計算機による品質管理が行なわれ、極めて有効に作動しているとのことであった。

(2)ハルトスタイン社

当工場は、ミュンヘンの南方80km、スイス国境まで約30kmに位置している。稼行対象岩石は海緑石硅岩で、青黒色の緻密な岩石である。賊存状況は、30°程度の傾斜を持つ堆積層で、層理の発達は良好で、亀裂も多く採取しやすい岩石のようであった。生産量は100万t/年、5000~6000t/日程度である。

採掘はベンチカット方式を採用。ベンチ高さは20m~30m。発破において、穿孔はワゴンタイプのドリル(75φmm)を用い、最少抵抗線、孔間ともに2.5~3mを採用している。爆薬はANFOを使用し、通常毎回12孔の発破を行ない、これによって、3000~4000t/回の爆砕量を得るとのことであった。積込機はCat.980-Bのホイールローダを使用し、切羽運搬は、ベンツ20tのサイドダンプ(他力式)を用いていた(前出・第2・8、9図を参照)。

破砕プラントは、全系統湿式を採用し、汚水処理は湿式サイクロンと沈殿池の併用で行っている。また、山元で1次、2次破砕を行ない、その中間製品を約8km離れた3次破砕・選別プラントへ索道によって輸送している。ここで、再破砕、選別された製品は鉄道を主とす、他はトラックによって出荷されている。なお一部は、同一敷地内の合うファルトプラント、生コンプラントへ送られて火口され、市場へ出荷されている(前出・第2・11、12図参照)。

(3)フランケンショッター砕石場

当工場は、氏にドイツミュンヘン市の北方120km、ニュールンベルグ市の南方50kmに位置する。採掘岩石は石灰岩で、こゝも、ほぼ水平な層理(層間感覚20~30cm)を有し、採掘は容易であると思われる。生産量は150万~200万t/年である。採掘は、ベンチ高さ約30mを採用し、穿孔の主力はハウスヘル(92mmφ)で、他に石材採掘のために、簡単なワゴンドリルを使用している。葉ppはANFOを使用し、最少抵抗線4m、孔間3.5で行なっている。積込機はミシガン275-B×2台で、前後4輪ともタイヤチェーンを装着して使用していた。

破砕プラントは全系統乾式で、1次、2次破砕機ともインペラー式を採用している。

つぎに、この工場の特徴は石材採掘を行なっていることで、大理石の名称で出荷されていた。石材の採掘は、爆薬を使用せず、主として層理、石目を利用し、くさびおよびてこによって行なわれるが、補助的に小型ワゴンによる穿孔(孔間10cm)が併用される。この石材は、山元私500DM/m3(約5万円)で、砕石12DM/m3(1000円)と比べてわかるように、約40倍と言う高値で取引きされている。

(4)ターマック社トップレイパイク砕石場

当砕石工場は、イギリス中部のマンチェスター東方約50kmに位置している。岩石は石灰岩で、層理の発達が顕著である。地層の傾斜はほぼ水平で、ここも採掘にはあまり問題はないようであった。生産量は80~100万t/年程度である。

採掘切羽は、ベンチ高さ20~50mで、約360mの長さを有している。穿孔はホルマンのダウンザホールドリル(100mmφ)を使用し、穿孔角75°、最少抵抗線4.2m、孔間5.4m、サブドリリング1.8mの設計で行なわれている。爆薬はGeliguiteおよびANFOを使用し、通常10孔/回規模の発破を行なっている。火薬消費量は120~130g/t程度である。積込機は71RBショベル(バケット3m3)、Cat988(バケット4.5m3)を使用、またトラックは35t車×3台、27t車×2台が稼働していた。

次に破砕プラントは乾式で、1次破砕機は50"×48"のダブルロータインパクトクラッシャ、2次破砕機は、36"×30"シングルロータインパクトクラッシャを使用している。

(5)ターマック社ミドルピーク砕石場

当社は、(4)のトップレイパイク砕石場の近くにあり、採掘岩石も同じく古生代石炭紀の石灰岩である。地層はほぼ水平の層理が発達している。年間100~120tの生産を行ない、主として骨材として使用されているとのことである。

採掘ベンチは、高さ20~30m、長さ約1000mであり、穿孔はホルマンのダウンザホール式ドリルを用い、穿孔角度75°、最少抵抗線4.5m、孔間4~5mの設計で行なわれている。爆薬はANFOを主とし、発破規模は1.2万~2万t/回で、爆薬使用量は120~150g/t程度である。また、小割には、ドロップボール(2t)を使用するが、原石の状態がよいので、使用回数は少ないとのことであった。積込機は、電気ショベル(4m3)×2台、タイヤローダ(4.5m3)×2台を用い、運搬は35t車5台を保有している。
破砕プラントは全系乾式で、1次破砕機は72"×48"のダブルトッグルクラッシャを用いている。