5.2 砂利採取関係

(1)ニスコカダータ社
第2・30図 ユーゴスラビア・ニコカガータ社の広大な採掘場
第2・30図
ユーゴスラビア・ニコカガータ社の広大な採掘場

当採取場は、ユーゴスラビアの北部、ザグレブ市の近郊に位置し、サバ川の流域の砂利堆積層を採掘している。堆積砂利は、厚さ40m以上の厚さがあり、品質もかなり良質のようであった。

採掘はクラムシェル(160m3/時)で、水深40mまで掘さくしている。採掘された原石は、水上ベルトコンベアと陸上コンベアとで、選別・破砕プラントまで運ばれる。稼動は3シフトで24時間操業しているとのことであった。プラントは別に見るほどのものはなかったが、主として西ドイツ製の機械が設置されていた。原石中の砂率が低く(15%~20%)、そのために製砂機を設置し、細骨材の生産を補っていた。製砂機は西ドイツGÄMMERLER社製のFour tube vibrating mill(30~50t/時)を用いていたが、供石サイズは8~16mmおよび16~32mmであるとのことであった(前出・第2・21図参照)。製品の規格および比率は、0~4mmが30%、4~8mmが20%、8~16mmが25%、16~32mmが25%である。

採掘跡地は、埋め戻しをせず、アイススケート場等のレジャーランドに転用するとのことであった。

第2・31図 ベルギー・オランダ国境のエーズデン共同採掘場の砂利層
第2・31図
ベルギー・オランダ国境のエーズデン共同採掘場の砂利層。品質はあまりよくない。
(2)エーズデン共同採掘場

ここは、ブラッセルの東方約60kmのマーストリヒトの近くである。フランスの北西部に源を持つマース河は、ベルギー、オランダを経て北海に注いでいるが、当採掘場付近が、ベルギーとオランダの国境になっており、したがって、両国の共同採掘場となっている。

採掘区域は上記のムーズ河(下流のオランダ領ではマース河)の右岸、約200万m2の広さがある。また埋蔵量は2000万tと言われ、約10年間稼行するとのことであった。表土が約3mあり、その下部8mが砂利層である。砂利の品質はあまり良質とは言えない。細骨材は約20%である。採取計画については、国家間、業者間で採取から跡地利用までを総合的に検討して決定しているとのことであった。

生産量は全部で200万t/年である。採取方法は、採取機および選別・破砕プラントを有する採取船の使用によって行なわれている。採取機はバケット式連続掘さく機(バケット容量0.3~0.5m3)が用いられ、直ちに船内プラントで選別・破砕が行なわれる。採取船は、ベルギー船1隻(600m3/時)、オランダ船3隻(300m3/時)の計4隻が稼動している。

輸送は全て船舶を使用(500~800t/隻)しており、積込みは採取船の周囲に、サイズ別に配船し、貯石槽を兼用している。
跡地は第2・25図(前出)に示したような人造湖をつくり、水上レクリェーションセンターを建設する計画である。

(3)ビヒタービアード社

当工場は、前述の共同採掘場より北方へ15km程度の所に位置する。同じくマース河の流域で、河口より約100km上流である。採取予定地は全部で80ha所有し、すでに40%程度の採掘を終了している。残りの埋蔵量は約1500万tであるとのことであった。表土は約2m、砂利層は10~20mの厚さに堆積している。原石の砂率は10~18%で、砂利の岩質は硅質岩が大部分を占めるが、1~1.5%の石灰岩を含んでいる。砂利の品質は、やや良程度であった。

生産量は100万t/年である。採掘はクラムシェル(バケット容量4m3)で採掘しており能力は400t/時(2台)である。採掘場からプラントまで約2kmあり、その間をベルトコンベアで運搬しているが、そのうち500mはフローティングコンベアである。ベルト幅900mm、ベルトスピード126m/分であった。

採掘跡は政府の指示に従うが、まだ未定である。会社としてはレジャーランドか貯水池などを考え、埋戻しはしないつもりであるとのことであった。

第2・32図 ビヒタービアード社の原石運搬コンベア
第2・32図
ビヒタービアード社の原石運搬コンベア。全長2000mのうち、水上部分が500m。
第2・33図 ビヒタービアード社の採掘場
第2・33図
ビヒタービアード社の採掘場。ここからプラントまで2kmをベルトコンベアで運んでいる。
(4)ホールアグレゲート社陸砂利採取場

当工場はロンドンの東方約15kmに位置している。堆積砂利層の河川系および地質学的な関係は不明である。陸砂利よりもいわゆる山砂利に近いものと思われ、丘陵地の、牧草地の下部に4m程度賊存する砂利層を採掘している。表土は1.5m程度である。年産80万t。

採掘は、パワーショベルで行なわれ、原石運搬はダンプトラックを用いる方式を採用している。

採掘跡は埋め戻しを行ない、再び牧草地として使用するとのことで、現に埋め戻しを行なった農地についても牧草の試験栽培を行なっていた。

(5)ホールアグレゲート社海洋砂利脱塩選別工場

当工場は、ロンドンのテムズ河口に位置している。原砂の採取は、ドーバー海峡で、4000t級のドラグボートで行ない、それをここに持ち帰って脱塩選別を行なうものである。年生産量は50万tで、当工場だけで9名の従業員と言うことであった。原砂の砂率は若干の変動はあるが、およそ60%である。問題の塩分除去は、特別な方法をとっているわけではなく、河川を部分的に囲った1次原料置場での自然脱塩、選別ふるい上での水洗のみで脱塩が行なわれている。この結果製品の塩分は粗骨材で0.1%、細骨材で0.4%以下に低下することができる。貝がらの混入は、基準が14%であるが、当工場の場合は問題ないとのことであった。

第2・34図 現場での懇談会(西ドイツ・ハルトスタイン社にて)
第2・34図
現場での懇談会(西ドイツ・ハルトスタイン社にて)。正面左より、ミュンヘン大学・ファイス先生、バイエルン工業協会理事ライター博士、通訳、団長岩崎先生。